賃貸物件で突っ張り棒を使って壁が傷ついたら?原状回復義務や傷対策方法をご紹介
はじめに
100円ショップやホームセンターなどで、簡単に手に入れられる突っ張り棒。
テレビやSNSでは突っ張り棒を使った収納方法や暮らし方のアイディアが数多く紹介されており、便利なアイテムとして知られていますよね。
しかし、「壁に傷が付かないか心配」「クロスが破れてしまうのでは?」と不安になる方は多いのではないでしょうか。
賃貸物件は退去時に原状回復義務が発生するため、壁に傷や凹みがついてしまうと補修費用を支払う可能性があります。
そのため、壁に突っ張り棒を取り付ける前に傷対策するのが重要です。
この記事では、賃貸物件の原状回復義務や、壁に傷や凹みを付けずに突っ張り棒を取り付けるテクニックについて詳しくご紹介します。
「突っ張り棒でクロスが傷ついてしまって困っている」「突っ張り棒を活用してすっきりした暮らしがしたい」という方は、ぜひ最後までお読みくださいね。
突っ張り棒で賃貸物件の壁に傷をつけたら修繕が必要?
借主は、賃貸物件を退去するときに原状回復をする義務があります。
しかし、どこまでの範囲の修繕費を負担すれば良いのか気になりますよね。
1998年に国土交通省は、トラブル防止の観点から「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」を公表しました。
ガイドラインでは、原状回復について「賃借人の居住、使用により発生した建築価値の減少のうち、賃借人の故意・過失・違反、善管注意義務違反、その他、通常の使用を超えるような使用による損傷・毀損を復旧すること」と定義しています。
つまり、借主は故意や事故によってつけた傷を修繕しなければならないと明記されているのです。
また、2020年4月1日には、原状回復についての民法が改正されました。
これにより、通常消耗や経年劣化といった誰が使用しても劣化する部分に関しては原状回復義務を負わなくて良いと明確化されたのです。
原状回復義務がない通常消耗や経年劣化の具体例は、以下の通りです。
- クロスや畳の日焼け
- 家具の設置によるカーペットの凹み
- テレビや冷蔵庫の後部にできた黒ずみ
一方で、借主が原状回復義務を負う義務が発生する具体例は、以下の通りです。
- ペットがつけた傷
- タバコのヤニや臭いがついた壁のクロス
- 結露やカビで汚れたクロスやフローリング
つまり、借主が故意や不注意、手入れ不足で損傷した場合は、原状回復義務を負わなくてはなりません。
ここでポイントとなるのが、突っ張り棒でできた傷や凹みが通常の使用範囲として認められるのかということ。
「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン」によると、下地ボードの張り替えが必要になるほどの傷や凹みは原状回復義務が発生します。
そのため、下地ボードを貫通させるような穴だと修繕費がかかる可能性が高いでしょう。
その他、ネジ穴やキリやドリルで穴あけをした跡についても、修繕費がかかる可能性が高いので注意が必要です。
一方、カレンダーやポスターで使用する押しピンは、通常使用の範囲内です。
しかし、いくら注意していても、うっかり賃貸物件の壁紙を傷つけてしまうこともありますよね。
通常、壁紙は年数によって残存価値が決まり、6年経過すると1円となると考えられています。
そのため、長期間居住している場合、穴あけや大きな傷により下地が傷んでいない限り、借主が壁の修繕費用を支払うことはほとんどないでしょう。
しかし、いずれにせよ壁に傷をつけずに突っ張るテクニックを知っておけば、修繕費用を請求されるリスクが減らせます。
人気の便利アイテム突っ張り棒
引用|平安伸銅工業株式会社
https://ec.heianshindo.co.jp/pages/heian-about?srsltid=AfmBOorReJvPgbO4hfIEBBFhijUK0Hcej0rcEUL_fD8p-Mow7ZJ-_Nsq
壁や窓枠に「棒を突っ張る」という、シンプルな使い方の突っ張り棒。
工夫次第で収納や地震対策などに使える便利なアイテムです。
突っ張り棒の魅力は、壁に穴を開けずに使用できること。
そのため、退去時に原状回復義務がある賃貸物件でも気軽に使用できます。
突っ張り棒には、「バネ式」と「ジャッキ式」の2種類があります。
「バネ式」とは、パイプの内側に入っているバネを圧縮させて、壁に対する反発力で固定する仕組みの突っ張り棒です。
長さが短いものがあったり、取り外しやすかったりするのが特徴で、比較的安価で販売されています。
重いものには向かないので、カフェカーテンなどの軽いものを突っ張るのにおすすめです。
一方、「ジャック式」とは、突っ張りたい場所の長さに調節して固定ネジを回し、さらに端のグリップを回して壁に圧着させる仕組みの突っ張り棒です。
ジャック式はバネ式と比べて壁にしっかりと取り付けられるため、より重いものを突っ張れるのが特徴です。
棚タイプも流通しているので、洗濯物や洋服などをかけるのに重宝します。
賃貸物件の壁を傷つけずに突っ張り棒を付けるテクニック
続いて、賃貸物件の壁を傷つけずに突っ張り棒をつけるテクニックを2つご紹介します。
突っ張り棒と壁の間に傷対策グッズを挟む
突っ張り棒で壁が傷ついたり凹んだりする原因は摩擦です。
そのため、突っ張り棒と壁の間に傷対策グッズを挟み込めば摩擦が少なくなり、傷予防に効果があります。
おすすめなのは、滑り止めシートや耐震マットです。
他にもジェルシートを張り付けて突っ張り棒を取り付けるセリアの「突っ張り壁面ガード」や、ダイソーの「衝撃吸収パッド」など、100円ショップのアイテムも活用できます。
すぐに傷対策グッズを購入できない場合は、突っ張り棒の先端よりも大きい木の板などを挟んで、一点にかかる圧力を分散させても良いでしょう。
壁に対しての負荷が分散すれば壁が凹みづらくなるので、傷対策として有効です。
しかし、天然木は時間経過によって反りや変形が生じることがあるので、長期間使用する場合は木材の状態に注意しましょう。
簡単に管理したい人には、専用の傷対策グッズがおすすめです。
「突っ張り棒が落ちない君」を使用する
「突っ張り棒が落ちない君」は、突っ張り棒の土台の役割を果たすウエルスジャパンの製品です。
大・中・浴室用の3種類が展開されており、それぞれ耐荷重は以下の通りです。
- 大・・・150kg
- 小・・・30kg
- 浴室用・・・100kg
実際に、2005年1月20日に愛知県産業技術研究所で行われた耐荷重試験では、大=180kg、小=38kgという試験結果が出ています。
取り付け方は簡単で、ホチキスをタッカーにして土台を壁に固定して、土台の上の突っ張り棒を取り付けるだけです。
取り外すときはホッチキスの裏側で針を抜けば簡単に外せるので、手軽なのが魅力の1つと言えるでしょう。
浴室用はホッチキスが使えませんが、二重強力吸盤でしっかりと固定できます。
壁に穴を開けなくても、強力に突っ張れるのが魅力の製品です。
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引用|信和シリーズHP
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突っ張り棒は私たちにとって身近にある、手に入れやすいアイテムです。
突っ張り棒でクローゼットのハンガー収納を増やしたり浮かせる収納を作ったりと、工夫次第で収納力をアップできます。
広々としたクローゼットや大きな荷物が収納できるスペースがある物件で突っ張り棒を活用すれば、よりすっきりした暮らしが実現するでしょう。
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まとめ
いかがでしたか?
今回は、賃貸物件でクロスに傷や跡が付いてしまったときの原状回復義務や突っ張り棒の傷対策テクニックについて詳しくご紹介しました。
故意や過失によって壁が傷ついてしまうと、借主が修繕費の支払い義務が生じます。
突っ張り棒を長期間使用したり強い力で使用すると壁に傷や凹みの跡が残ることがあり、傷の状態によっては補修費用を請求される可能性があるでしょう。
そのため、傷対策してから突っ張り棒を取り付けるのが大切です。
壁の傷や凹みは、家にあるものや市販品を使えば簡単に対策できます。
突っ張り棒を上手に活用して、すっきりと整った暮らしやすい部屋を作ってみてはいかがでしょうか。